大人気ランニングレースの作り方の考察・その2:レースの形態

さて1回目はランニングイベントの成り立ちについて考察した。2回目はレースの形態とその長所、短所について考察してみたいと思う。


ざっと大まかにレースの形態(トポロジー)を分類すると。
  • ラウンド型(スタートとゴールが同じ地点)
  • ワンウェイ型(スタートとゴールが違う地点)
  • フリー型(ルートは自由。時間が来たら終了)
の3形態に分けられる。そしてその中で細かい違いがあり、それぞれの長所短所を考えていくと結構面白いことがわかる。

フリー型

まずは3番目のフリー型を説明すると、いわゆる「鬼ごっこ」のルールを考えてもらうといい。テレビでやってる「逃走中」でも良いかもしれない。ゴールは場所ではなく時間で管理される。行動できるエリアは制限があるがルートは制限されない。イベント的には楽しいが「レース」という範疇からは少し外れてしまうかもしれない。でもこれ楽しいよきっと。ボクのホームの三ツ池公園で大人の鬼ごっこイベントやろうかな。

ラウンド型

ラウンド型は一番ポピュラーな形態だ。通常のマラソン大会はこのラウンド型だ。スタートとゴールが同じ地点なので荷物の移動がなく主催者側は負担が減る。しかし前泊などでお金が落ちるのはスタート地点だけになるという弱点がある。
細かい分類があるのでそれを挙げてみる。
  • O型(ぐるっと一周)
  • O×N型(ぐるぐると何周か)
  • X型(スキー場を使用)
最初のO型は説明するまでもなくコースを一周回ったらゴールといういわゆる普通のレース。マラソン大会は全部これに属するしUTMBやFTRやハセツネも全部これに属する。長所としては荷物の移動が無いことが挙げられる。参加者もずっと変わる景色を楽しむことができる。しかし距離が長くなるとエイドの設置が必要となり意外に手間がかかると想像できる。そこで一周を短くしてそれを何度も回る形態にしたのがO×N型である。これであればエイドの数は少なくて済む。スタッフの数も減らせるので参加費を抑えることが可能だ。ただし同じコースをぐるぐる回るのは参加者の好き嫌いが出るだろう。ボクは好きだけれども。KOUMI100などがこれに属する。


最後のX型は特殊だ。スキー場は大抵どのコースもセンターロッジに降りるように作られている。それを利用してエイドを真ん中に設置して色んな山へ登るコースを作るという形態である。参加者もコースを楽しめるし主催者側もエイドを充実させることが出来る。実際に行われているかは確認していないがスカイランニングでこの形態があったようだ。

ワンウェイ型

スタートとゴールの場所が違うというのがワンウェイ型だ。その昔は鎌倉アルプストレイルという大会があり港南台から江ノ島のそばまでのコースはボクのお気に入りのコースだ。これも幾つか種類がある。
  • I型
  • C型
I型はまさにそのまんまである。IZU Trail Journey(松崎〜修善寺)とかサロマ湖ウルトラなどが該当する。長所はあまりないと思うが短所は結構ある。荷物の移動とスタート地点への送迎が発生する(車で来る人もいるので)。後泊も若干期待できるが主催者側のメリットは少ないだろう。エイドの手間もO型と同じだ。バーティカルも行って来い形式なのでこれに該当する。


C型はO型の派生系となる。一周回るレースの半分とか3分の1とかでレースを行う形態である。CCCや過去のSTYなどがこれに該当する。これの良いところは宿泊などお金を落とす地域を分散できるという点だ。上州武尊スカイビュートレイルはこの点うまくやっているなという印象だ。

というようにレースの形態(トポロジー)から観察してみたところ、主催者にも参加者にもメリットのある形態というのが浮かび上がってくる。次回以降(もし書く気になったら)では自分が主催するならこんなレース的なものを考えてみたいと思う。

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