大人気ランニングレースの作り方の考察・その1:レースの成り立ち

埼玉の越生で行われたとある練習会が大人気だ。


主催はNPO法人 彩の国ウルトラプロジェクトとこれまたNPO法人 HASHIRUの共催で、前者は25kmの周回コースを4周回るウルトラトレイルも開催している(ITRA公認)。
この越生ぐる練というのも10kmの周回コースを夜中にぐるぐる回るという夜間走の練習会なのだが、夜中にあまり長い距離を設定するとなんかあったときにエスケープが困難だし体力に不安のある参加者もあるだろうから、10kmの周回コースってのは絶妙だろうと思う。エイドではうどんが出たり脇にはテントが設営されていてなかなかの高待遇。自分も参加したくなった。
こういう仲間内の練習会のような感じなのが口コミでどんどん広がっていって徐々に人気レースになって行くやり方を「ボトムアップ式」と呼ぶことにする。同方式には「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」や「六甲縦走キャノンボール大会」などが該当する。

六甲縦走キャノンボール大会
六甲縦走キャノンボール大会の手書き地図
これらの大会は既存のリソースを使って規模の小さなイベントから始まっているというのが共通点で、利点としては、①費用が抑えられる。②道路使用許可や土地所有者などステークホルダーへの同意が得やすい。③なので開催が容易、な点である。そして口コミで人気が広がり参加人数も増えると、既に実績があり関係各所に同意が得やすくさらにお金も集まってくるため割と簡単に大会を大きくできる。レース運営はまさに会社経営のよう。小さく産んで大きく育てる。
そして対照的なのがいきなり大きな大会を開くことが目的となったレース。「Ultra Trail Mt. Fuji:UTMF」や「ASO Round Trail」がそれに該当する。もうその山を回ることが使命となっている点でボトムアップ方式と大きく違う。これらを「トップダウン式」と呼ぶことにする。IZU Trail Journeyはスタート地点とゴール地点が異なるワンウェイ型だが「新しい伊豆の旅の創造」というコンセプトなのでこれに該当する。これらのレースは大きな舞台を設定するところから始まる。まだやったこともないイベントに行政は腰が重い。地域住民も正体不明なものに非協力的だ。さらにコースは既存のものがあればいいが大体において開拓が必要になってくる。多大な時間と莫大な費用がかかるのがこの方式の特徴である。ただし成功したときには注目度は高い。ハイリスク・ハイリターンと言えよう。
さて、今回はレースの成り立ちについて考えてみたが次回以降に自分ならどんなレースを開催するか(開催者目線)開催してもらうと嬉しいか(参加者目線)を考えてみたいかと思う。
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